メッセージ

大会員長メッセージ

インタラクション2023
大会委員長
寺田 努 (神戸大学)

■対面開催に戻ります!
情報処理学会インタラクションシンポジウムは,2023年で27回目の開催となります.1997年に始まったシンポジウムは,現在,ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会,エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会の5研究会主催により開催しています.

インタラクションの目玉は,厳しい査読を突破した登壇発表を聴くことはもちろんですが,なんといっても100件を超えるインタラクティブ発表に対して現地で活発にディスカッションを行うことであり,現地での濃密なコミュケーションは発表者にとっても参加者にとってもとても重要な要素でした.一方で,インタラクション2020以降,COVID-19の感染拡大の中,現地開催が行えない状況が続いてきました.その間,インタラクション実行委員会ではオンラインでもインタラクションの価値を失わない(あわよくば高める)ための取組みを続けられており,活発な会議を維持できていたと思います.

しかし!やはり現地での開催は何にも代えがたい価値を生むと思います.今年度は多少無理をしてでもなんとか現地開催に戻すことを第一に考えました.さらに,ハイブリッド開催ではなく現地開催だ,とし,オンライン参加の枠をなくすことでとにかく現地に集まってください,という我々の気持ちを表現することにしました.

ありがたいことに,インタラクティブ発表(デモ・ポスター)は200件を超える過去最大級の投稿件数となりました.やはりみなさん現地開催の会議を待っていたのでしょうか.インタラクティブ発表は配信等も行いませんので,ぜひ現地参加いただいて熱気を感じていただければと思います.

■感謝
インタラクション2023の開催にあたって,会場の学術総合センター/一橋講堂をはじめ,多くの協賛学会並びに企業様のご協力をいただいております.この場を借りて厚く御礼申し上げます.インタラクションの実行委員・プログラム委員は,この研究コミュニティに深くかかわってきているメンバーで構成されています.この分野をますます盛り上げられるよう,力を合わせて準備しておりますので,参加者の皆さんも会を盛り上げるべくご協力よろしくお願いいたします.


プログラム委員長メッセージ

竹川 佳成(公立はこだて未来大学)

今回のインタラクションでは、前回に続き、登壇発表、インタラクティブ発表(デモ)、インタラクティブ発表(ポスター)という3つのカテゴリで発表を募集しました。また、本シンポジウムが、なるべく多くのアイディアやテーマを参加者同士で共有、議論する機会となるように努めました。

■プログラム委員会について
今年もこれまでのプログラム委員会の構成を引き継ぎました。メタ査読者として複数の論文を俯瞰するチーフプログラム委員(20名)と、個々の論文の詳細な査読を担当するプログラム委員(58名)、委員長、副委員長を含めた80名からなるプログラム委員会が審査にあたりました。

■登壇発表について
各チーフプログラム委員は、プログラム委員からの査読結果を踏まえ、オンラインで議論を行い、採否判定案を作成します。その上で、チーフプログラム委員の採否判定会議を2022年12月8日~9日にかけて開催し、十分な議論を経て、登壇発表の採択論文を決定しました。なお、インタラクション2022では、1論文につきチーフプログラム委員1名、プログラム委員4名を割り当てました。

登壇発表には25本の投稿があり、11本を採択しました。一部のボーダーライン上の論文にはShepherdingを行い、チーフプログラム委員が論文の改善を個別に確認した上で採録しました。Shepherdingを通して、新規性は高いものの発展途上の論文も積極的に採択し、インタラクションコミュニティの活性化に配慮しました。

また、2023年2月15日発刊の情報処理学会「インタラクションの理解および基盤・応用技術」特集号から、評価の高かった論文2件を招待して、登壇発表内で発表いただきます。

■インタラクティブ発表について
インタラクティブ発表では、例年厳密な査読は行いませんが、特に優れた発表である「プレミアム発表」の選定と、研究や論文の質に著しい問題のある論文を発見するために、チーフプログラム委員/プログラム委員を1論文につき5名割り当て、スクリーニングを行いました。その結果、224本の投稿から、35本をプレミアム発表、189本を一般発表として採択しました。プレミアム発表は、プログラム委員会選出のインタラクティブ発表賞の候補となり、発表当日にチーフプログラム委員団の巡回審査を経て受賞が決定します。

インタラクティブ発表(デモ)とインタラクティブ発表(ポスター)のスクリーニングの結果の詳細は次の通りです。

インタラクティブ発表(デモ):投稿:164件,プレミアム採録:27件(16.5%),一般採録137件,不採録:0件
インタラクティブ発表(ポスター):投稿:60件,プレミアム採録:8件(13.3%),一般採録,52件,不採録:0件

■おわりに
インタラクション2023は、新型コロナウィルスの影響に伴い、4年ぶりの対面での開催となります。対面で実施していたときの参加者は600名~700名で、今年もインタラクティブ発表の盛況さから同程度の参加者数が見込まれます。安心安全に余裕をもって現地での対面交流を楽しんでもらうということを第一優先とし、インタラクティブ発表時間や休憩時間を長めにとるなどプログラムを配慮しました。ユーザインタフェースの機微はオンラインで伝わりづらいものがあります。インタラクション2023に参加されるすべてのみなさまにとって、リアルな体験を伴って、議論や思考が深まり、価値あるシンポジウムとなることを願っております。最後になりますが、プログラム委員会を支えてくださったチーフプログラム委員・プログラム委員、そしてなにより多くのご投稿をいただいた著者のみなさまに心より感謝を申し上げます。