情報処理学会 インタラクション2015

文献情報

タイトル
画面内外を繋ぐ連続的なスクロールに関する検討
著者
  • 進士 奈菜(東北大)
  • 高嶋 和毅(東北大)
  • 北村 喜文(東北大)
アブストラクト
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本稿は,モバイルディスプレイやアプリケーションウィンドウなど限られたサイズのスクリーン上で,スクロール操作を画面外に拡張することができる連続的なタッチスクロール操作について検討する.提案する連続的なスクロールでは,トラッキングシステムによりデバイスの周囲空間での指の動作を取得することで,タッチスクロール操作におけるユーザの運動領域を拡張し,長距離スクロールにおけるクラッチ数を減らすことができる.これにより,指や手が画面上を覆う時間(オクルージョン)を減らし,安定した画面の情報探索や,素早い画面外コンテンツの獲得を実現することができる.本研究では,大画面タッチスクリーンとモバイルタッチスクリーンの2つの代表的なスクリーン環境において,連続的なスクロールの基礎的なパフォーマンスを既存手法(ドラッグ, フリック)との比較を通して検証した.前者の環境では,スクリーン内に表示されたアプリケーションウィンドウの周囲にウィンドウ内と同一のタッチスクリーンが存在しており,これによりウィンドウ外での指の動きを計測する.後者では,スクリーン周囲は空中であるため,外部の3次元トラッキングシステムにより指の動きを計測した.ユーザスタディの結果,連続的なスクロールは既存手法よりもクラッチ回数,操作指によるオクルージョン,操作負担を減らすことのでき,また見落としの少ない情報探索ができたことが分かった.また,実験結果をもとに連続的なスクロールの設計指針や実装例についても議論した.

雑誌名
インタラクション2015論文集
© 情報処理学会 2015
論文ID
15INT002
ページ
11 ~ 20
発行日
2015年2月26日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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