情報処理学会 インタラクション2016

文献情報

タイトル
CGモデルへの運動操作の一致性の高さは 身体所有感を喚起する
著者
  • 渡邉 翔太(名大)
  • 川合 伸幸(名大)
アブストラクト
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本研究では,1)CGモデルへ反映される運動の一致性が異なることで,獲得される運動主体感が異なるかどうか,2)先行して参加者の運動主体感を誘発することによっても,それに伴って対象への身体所有感が誘発されるかを検討することを目的とした.その結果,心理指標では,CGモデルに反映される運動の一致性が上昇するに伴い,運動主体感と身体所有感の両方に関連する得点がそれぞれ線形に高くなった.一方,身体所有感のみ反映する生理反応では,一致性の上昇にあわせて操作対象のCGモデルに対する身体所有感は線形には上昇せず,あるところで急激に高まるシグモイド曲線的なパタンを示した.心理・生理反応の双方から測定することにより,従来の,受動的に刺激を受容することで,自己の身体以外への対象に身体所有感を有するようになった研究とは異なり,まず自身の運動によって運動主体感を獲得し,それを通じて自己所有感が得られることをはじめて示した.また,CGモデルに対する運動主体感は操作対象に実際の運動との一致性が高いほど強まるが,そのモデルに対する身体所有感は,かなり高い運動主体感をもたなければ獲得されないことが明らかとなった.

雑誌名
インタラクション2016論文集
© 情報処理学会 2016
論文ID
1B25
ページ
253-258
発行日
2016年2月24日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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