情報処理学会 インタラクション2016

文献情報

タイトル
3Dアバタチャットシステムにおける空間表現が対話内容に及ぼす影響の調査
著者
  • 竹内 健太(青山学院大)
  • 長谷川 大(青山学院大)
  • 佐久田 博司(青山学院大)
アブストラクト
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匿名のオンラインコミュニケーションは,気軽に利用できる,簡単に交流の幅を広げることが出来る,普段言い辛いような本音も言えるなどの利点から,私たちの生活の中で広まっている.しかし,そのようなコミュニケーションの場で,攻撃的・敵意のある行動が多く見られることや無責任な振る舞いになりがちであることが問題点として指摘されている.そこで,匿名性の利点を維持しつつ,対面コミュニケーションに近い社会的制約を導入可能な方法としてアバタ介在型チャットが注目されている.本研究の目的は,アバタ介在型コミュニケーションの基礎的な特性について,アバタの描画されているチャット空間と環境音等のチャット空間表現が想起させるイメージによる影響に着目して調査を行うことである.本稿では,チャット空間を背景画像と環境音によって表現し,「協力」または「対立」のイメージを想起させる2条件の下,実験として参加者ペアに実際にHolotech Studios社のFaceRigを使用した3Dアバタチャットシステムを使用してコンセンサスゲームを行ってもらい,対話内容の質に関わる発言の出現回数の変化を分析した.結果として,チャット空間表現により「対立」のイメージをユーザに想起させたとき,「協力」のイメージを想起させたときより対話中の賛成意見・反対意見両方の出現回数の平均が増加するという結果が得られた.

雑誌名
インタラクション2016論文集
© 情報処理学会 2016
論文ID
2C69
ページ
746-750
発行日
2016年2月24日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
TEL. 東京 (03) 3518-8374 (代表)
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