情報処理学会 インタラクション2016

ビデオチャットにおいて対話相手の存在感を向上させるために，ユーザ側の映像に遠隔地にいる対話相手の映像を合成し，鏡に見立てたディスプレイに表示する鏡映像システムがある．このシステムでは，実際には相手は遠隔地にいるため，物体の受渡しのような物理的なインタラクションを行うことはできないが，それを再現することができれば，相手の存在感をより強化できる可能性があると考えた．本研究では，回転が同期する2つのターンテーブルをユーザ側と遠隔地の対話相手側にそれぞれ設置し，鏡映像上で1つのターンテーブルとして見えるようにして鏡映像システムを拡張した．拡張したシステムにおいて，相手によるテーブルの回転をユーザ側のテーブルで再現することにより，2つのテーブルの同じ位置に置いた物体を受渡ししているような感覚を得ることができる．この感覚によって通常の鏡映像システムよりも対話相手の存在感が向上することが期待できる．