情報処理学会 インタラクション2018

文献情報

タイトル
自己帰属感の生起過程におけるモーターコマンドからの予測可能性による影響の調査
著者
  • 齊藤 寛人(明治大)
  • 福地 健太郎(明治大)
アブストラクト
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自己帰属感の生起は,主に視覚と体性感覚の一致性および視覚と運動指令からの予測の一致性の認知によって引き起こされることが先行研究により明らかになっている.しかし能動的運動時にどちらの認知が主要な役割を果たすのかは明らかではない.本研究では,予測との一致性は保ちつつ,視覚と体性感覚との間に不一致をもたらすことで体性感覚と予測とを分離した検証を行った.具体的には,被験者には複数の映像から自己の動きに同期する映像を見つけるタスクを課した実験を実施した.このとき被験者の手の動きを様々な角度で回転させた映像を呈示することで,視覚と体性感覚との間の不一致条件を作り出し,また被験者の運動に制限を設けることで,手の動きが回転して呈示されても視運動を予測可能な状況を作り出した.実験の結果,能動的運動時の自己帰属感の生起過程では視覚と予測の一致性が優位に働くことが明らかになった.また,この予測可能性は手の運動パターンやその見た目にも影響されることが示唆された.

雑誌名
インタラクション2018論文集
© 情報処理学会 2018
論文ID
INT18004
ページ
25-34
発行日
2018年2月26日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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