情報処理学会 インタラクション2021

文献情報

タイトル
SFプロトタイピングを用いた未来ビジョン作成の評価
著者
  • 大澤 博隆(筑波大)
  • 宮本 道人(筑波大)
  • 藤本 敦也(三菱総合研未来構想センター)
  • 関根 秀真(三菱総合研)
アブストラクト
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本研究では未来社会におけるイノベーションアイディアを作成するための,SFプロトタイピング手法を分析する.SFプロトタイピングは未来社会の設計を考慮する際に,SF作品を作る際の思考方法を応用し,イノベーションを起こすようなアイディアを得やすくするための手法である.しかし,この手法が従来の手法に比べてどの程度有効であるか,比較した分析は行われてこなかった.本研究では,SFプロトタイピング手法を,従来行われてきたシナリオプランニング手法と比較し,その特徴について分析した.研究提案では,まず従来のSFプロトタイピング手法を分析した上で,短い時間で実施可能なプロトタイピング手法を作成した.また,少人数のグループワークに適した人員配置を行うため,参加者の特性を心理指標で調べ,ファシリテーションに効果的な人員を配置した.これにより,SFプロトタイピング手法とシナリオプランニング手法を,それぞれ9個のグループで実施し,その評価をビジネス評価に関する専門家14名が比較した.評価結果により,SFプロトタイピング手法はシナリオ・プランニング手法に比べて,より挑発的で楽しいが,一方でリアリティには欠けると取られる提案が生まれることが示唆された.ただし,それぞれの提案の相関を調べると,提案を継続したくなる案は信頼性との相関が低く,挑発性や楽しさといった,SFプロトタイピングが得意とする分野が効果的であることがわかった.

雑誌名
インタラクション2021論文集
© 情報処理学会 2021
論文ID
2Q05
ページ
719-721
発行日
2021年3月1日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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