情報処理学会 インタラクション2021

文献情報

タイトル
メンタルマップ形成のモデリングと視覚化の手法―街の要素に関する新たな分類と3D空間を用いた仮想の街づくりによる表現―
著者
  • 坂本 慶太(早大)
  • 長 幾朗(早大)
アブストラクト
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メンタルマップとは個人の経験として蓄積される街の記憶の集合である.本研究における初段階において「メンタルマップを活用した歩行者向けナビゲーションシステムKakera」を提案したが,その結果歩行者に記憶の保持を促す効果が見られた.本研究では,メンタルマップの視覚化とより幅広い活用を試み,さらに汎用性の高いシステム「Mental City」の構築を試みた.Mental Cityでは,住民や被験者から街の要素を採取し,これらの分類を図った上で,それに基づいたメンタルマップのモデリングを講じた.さらに,Mental Cityの汎用性を図るため,3Dによる仮想の街を再現した.評価実験では,上記のモデルを基に,被験者がこれらの要素に対する特徴抽出や,情報の強弱,取捨選択等の要素をさらに加え,対象地域の住民,および通学者等を「地域住民」とした記憶との整合性を検証した.加えてMental Cityに関する評価実験として,Mental Cityの表現による情報提供の妥当性の検証と,対象地域について記憶を有していない被験者に対して,Mental Cityと一般の汎用地図と比較し,街に関する印象形成の差違について検証した.結果として,メンタルマップ形成のモデリングに関して,一部課題が判明したものの,おおよそは実際に形成された記憶と一致することが確認された.また,Mental Cityの3Dや動的表現により,空間が認識しやすくなる効果が見受けられた.しかし,地域に馴染みのないユーザーへMental City によって形成される印象と,地域住民が既に形成している印象との一致に関しては優位性が見られなかった.

雑誌名
インタラクション2021論文集
© 情報処理学会 2021
論文ID
3B02
ページ
518-523
発行日
2021年3月1日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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