インタラクション2021 プログラム編成にあたって
インタラクション2021 プログラム委員長 井上 創造(九州工業大学)
今回のインタラクションでは、前回に続き、登壇発表、インタラクティブ発表(デモ)、インタラクティブ発表(ポスター)という3つのカテゴリで発表を募集しました。また、本シンポジウムが、なるべく多くのアイディアやテーマを参加者同士で共有、議論する機会となるように努めました。
プログラム委員会について
今年もこれまでのプログラム委員会の構成を引き継ぎました。メタ査読者として複数の論文を俯瞰するチーフプログラム委員(19名)と、個々の論文の詳細な査読を担当するプログラム委員(76名)、委員長、副委員長を含めた97名からなるプログラム委員会が審査にあたりました。
登壇発表について
各チーフプログラム委員は、プログラム委員からの査読結果を踏まえ、オンラインで議論を行い、採否判定案を作成します。その上で、チーフプログラム委員の採否判定会議を2019年12月7日~8日にかけて開催し、十分な議論を経て、登壇発表の採択論文を決定しました。なお、インタラクション2021では、1論文につきチーフプログラム委員1名、プログラム委員4名を割り当てました。
登壇発表には22本の投稿があり、11本を採択しました(うち2本をショート発表)。一部のボーダーライン上の論文にはShepherdingを行い、チーフプログラム委員が論文の改善を個別に確認した上で採録しました。Shepherdingを通して、新規性は高いものの発展途上の論文を積極的に採択し、インタラクションコミュニティの活性化に配慮しました。
また、2021年2月15日に発刊された情報処理学会「インタラクションの理解および基盤・応用技術」特集号から、評価の高かった論文4件を招待して、登壇発表内で発表いただきます。以前にインタラクションで発表された物もありますが、より完成度の高い研究発表が期待できます。
インタラクティブ発表について
インタラクティブ発表では、例年厳密な査読は行いませんが、特に優れた発表である「プレミアム発表」の選定と、研究や論文の質に著しい問題のある論文を発見するために、チーフプログラム委員/プログラム委員を1論文につき5名割り当て、スクリーニングを行いました。その結果、180本の投稿から、31本をプレミアム発表、149本を一般発表として採択しました。プレミアム発表は、プログラム委員会選出のインタラクティブ発表賞の候補となり、発表当日にチーフプログラム委員団の巡回審査を経て受賞が決定します。
インタラクティブ発表(デモ)とインタラクティブ発表(ポスター)のスクリーニングの結果の詳細は以下の通りです。
インタラクティブ発表(デモ):投稿122件、プレミアム採録22件、一般採録100件
インタラクティブ発表(ポスター):投稿 58件、プレミアム採録 9件、一般採録49件
基調講演
例年、基調講演は、著名な企業人や研究者をお呼びしていましたが、今回は少し趣向を変えて、若手ながら国際誌や国際会議で活躍している若手研究者を招待して企画してみました。講演者の前川卓也氏は、IoTやAIを活用した行動認識技術を、野生動物の観測に応用する研究で、Nature Communications誌やCommunication Biology誌に発表しており、その内容ばかりでなく研究スタイルもインタラクションの若手の参加者に参考になるかと思います。
今年の目玉
今回は、いくつかの新しい試みにも取り組みます。Google社のご支援により、小中高生企画「オンラインで見てみよう、聞いてみよう、言ってみよう」ということで、インタラクティブ発表を小中高生向けにオンライン中継します。小中高生からの投票や、質問タイムを設けています。
また、誠文堂新光社「子供の科学」誌からも取材をいただきます。
今回のインタラクションはオンラインのみでの実施となりましたが、これまでのインタラクションの良いところと、オンラインだからできる企画をおりまぜ、日本における最高峰の「インタラクション研究」の「研究インタラクション」ができることを望みます!
インタラクション2021 プログラム委員会
- プログラム委員長
- 井上 創造(九州工業大学)
- プログラム副委員長
- 宮田 章裕(日本大学)
- 伊藤 貴之(お茶の水女子大学)
- 小川 剛史(東京大学)
- 葛岡 英明(東京大学)
- 河野 恭之(関西学院大学)
- 坂本 大介(北海道大学)
- 高嶋 和毅(東北大学)
- 塚田 浩二(はこだて未来大学)
- 中西 英之(大阪大学)
- 水野 慎士(愛知工業大学)
- プログラム委員
- 秋田 純一(金沢大学)
- 綾塚 祐二(クレスコ)
- 池松 香(ヤフー株式会社)
- 磯山 直也
(奈良先端科学技術大学院大学) - 伊藤 正彦(北海道情報大学)
- 井上 智雄(筑波大学)
- 牛尼 剛聡
(九州大学大学院芸術工学研究院) - 岡田 将吾
(北陸先端科学技術大学院大学) - 岡本 昌之(トヨタ自動車)
- 加藤 淳(産業技術総合研究所)
- 金井 秀明
(北陸先端科学技術大学院大学) - 神原 誠之
(奈良先端科学技術大学院大学) - 黄 宏軒(福知山公立大学)
- 酒田 信親
(奈良先端科学技術大学院大学) - 塩見 昌裕(ATR)
- 新西 誠人(リコー)
- 杉原 太郎(東京工業大学)
- 鈴木 健嗣(筑波大学)
- 竹内 勇剛(静岡大学)
- 塚田 晃司(和歌山大学)
- 寺田 和憲(岐阜大学)
- 苗村 健(東京大学)
- 中村 聡史(明治大学)
- 西田 健志(神戸大学)
- 野間 春生(立命館大学)
- 羽田 久一(東京工科大学)
- 平井 重行(京都産業大学)
- 藤澤 誠(筑波大学)
- 細部 博史(法政大学)
- 松村 耕平(立命館大学)
- 丸山 一貴(明星大学)
- 三上 浩司(東京工科大学)
- 宮田 一乘
(北陸先端科学技術大学院大学) - 望月 茂徳(立命館大学)
- 山中 祥太(ヤフー)
- 山本 豪志朗(京都大学)
- 湯浅 将英(湘南工科大学)
- 暦本 純一(東大/ソニーCSL)
- 阿倍 博信(東京電機大学)
- 五十嵐 悠紀(明治大学)
- 石井 亮(日本電信電話株式会社)
- 市村 哲(大妻女子大)
- 井上 亮文(東京工科大)
- 井村 誠孝(関西学院大学)
- 内海 章(ATR)
- 岡田 昌也(九州大学)
- 筧 康明(東京大学)
- 加藤 直樹(東京学芸大学)
- 金谷 一朗(長崎大学)
- 北原 格
(筑波大学/計算科学研究センター) - 神田 智子(大阪工業大学)
- 澤田 秀之(早稲田大学)
- 柴田 博仁(群馬大学)
- 杉浦 裕太(慶應義塾大学)
- 杉本 麻樹(慶應義塾大学)
- 鈴木 浩(神奈川工科大)
- 田中 一晶(京都工芸繊維大学)
- 佃 洸摂(産業技術総合研究所)
- 戸田 真志(熊本大学)
- 中野 倫靖(産業技術総合研究所)
- 中村 裕美(東京大学大学院 情報学環)
- 西本 一志
(北陸先端科学技術大学院大学) - 橋本 直(明治大学)
- 濱崎 雅弘(産業技術総合研究所)
- 福島 拓(大阪工業大学)
- 藤波 香織(東京農工大学)
- 益子 宗(楽天株式会社/筑波大学)
- 的場 ひろし(静岡文化芸術大学)
- 三浦 元喜(千葉工業大学)
- 水口 充(京都産業大学)
- 村尾 和哉(立命館大学)
- 森脇 裕之(多摩美術大学)
- 山本 景子(京都工芸繊維大学)
- 山本 岳洋(兵庫県立大学)
- 吉田 成朗
(東京大学/科学技術振興機構さきがけ) - 渡邉 英徳(東京大学)