情報処理学会 インタラクション2021

文献情報

タイトル
ロボット間の対話に基づく合意形成が人の思考に与える影響
著者
  • 板原 宏樹(ATR/同志社大)
  • 木本 充彦(ATR/慶応義塾大学)
  • 飯尾 尊優(ATR/同志社大)
  • 下原 勝憲(同志社大)
  • 塩見 昌裕(ATR)
アブストラクト
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本論文では,ロボット間の対話による合意形成を観察することが,人々の思考にどのように影響するかを実験により検証した.近年,SNSの普及は著しく,一つの話題に対しても様々な視点からの情報が目に入るようになった.ポジティブともネガティブとも断定できない話題も多く,その印象は情報の伝えられ方に左右される可能性がある.そこで,ロボットが人々に情報提供する際の効果的な手法については,ロボットが単体,複数台それぞれにおいて研究が進んでいる.人とロボットが直接対話をする際には,言語情報に関する研究だけでなく,ノンバーバル情報にも注目されている.最近では人とロボットが直接対話をすることにおける研究だけでなく,複数台のロボットの対話を観察することの効果も検証されている.しかし,ロボット間の対話による合意形成を観察することの効果は検証されていない.そこで,ポジティブとネガティブの両方の意見がある話題について,合意形成の有無による影響の違いを実験により検証した.実験では印象への影響だけでなく,ロボットの対話が公平に感じるかどうかについても検証した.実験の結果,ネガティブな意見に合意形成する様子を観察することは,ポジティブな意見に合意形成する様子やポジティブな対話の様子を観察することよりネガティブに感じることが示された.また,ネガティブな対話の様子を観察することは,ポジティブな対話の様子を観察することよりネガティブに感じることが示された.さらに,ネガティブな対話の様子を観察することは,合意形成の様子を観察することや,ポジティブな対話の様子を観察することより公平でないと感じることが示された.したがって,合意形成はある話題に対してネガティブな印象を与える際に,公平な印象を与えることが示された.ただし,良い印象を伝える際には,合意形成は公平性に影響することは示されなかった.

雑誌名
インタラクション2022論文集
© 情報処理学会 2022
論文ID
1P03
ページ
225-230
発行日
2022年2月21日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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