情報処理学会 インタラクション2021

文献情報

タイトル
身近な情報機器への入力に経験や知識から推測される内容とは異なる出力を提示するインタラクティブな擬似出力手法
著者
  • 小泉 篤志(早大)
  • 橋田 朋子(早大)
アブストラクト
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身近な情報機器が高度化・複雑化するにつれ,一般のユーザにはその仕組みが益々わからなくなり,さらには注意を払わなくなりつつある.筆者らは,ユーザに敢えて身近な情報機器での自分の入力に対する出力に確信が持てなくなる体験をしてもらうことで,自然と対象の仕組みに注意を向け,思いを巡らすのではないかと考える.そのためには本来はあり得ないはずだが,あり得るかもしれないと勘違いしそうになる出力,即ち擬似出力の手法が有効であると考え,人がこれまでの経験から推測しやすい状況を敢えて作った上で,ユーザの入力に対して推測した状況では本来起きないはずのことを生じさせる手法,逆に本来起きるはずのことを生じさせない手法,達成される機能が似ている道具の入力に機械の出力を同期させる手法の3つのインタラクティブな擬似出力手法を提案する.本稿では各擬似出力手法の具体事例として,遠隔地ライブ配信を模したタブレット上の映像にタッチでインタラクションができる,周期的に動く物体のライブ配信を模したPC上の映像が物体操作後にずれる,用途が類似するアナログな文房具の入力とファブリケーション機器の出力を同期させる,という手法を実装した.さらにユーザスタディを実施して3つの手法であり得る,あり得ないと感じる度合いが変わることを確認した.

雑誌名
インタラクション2022論文集
© 情報処理学会 2022
論文ID
3D05
ページ
407-412
発行日
2022年2月21日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
TEL. 東京 (03) 3518-8374 (代表)
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