文献情報
タイトル | |
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美術館における比較鑑賞へのOmniFlickViewの応用 | |
著者 | |
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アブストラクト | |
近年,美術館の展示におけるAR技術活用への期待が高まっている.一方,美術鑑賞において重要とされている比較鑑賞のAR技術による拡張は検討が進んでいない.本稿では,視野拡張ができるシースルーVRシステムであるOmniFlickViewを用いて,絵画の比較鑑賞を工学的に拡張する手法を提案する.OmniFlickViewは,HMDに後付けした全方位カメラを基に360度以上の視野拡張ができるシースルーVRシステムであり,首を振ると視野が大きく広がり俯瞰状態へ,逆に凝視するために首を止めると視野が狭まり凝視モードになる.これによりユーザは少しの首振り動作で全方位視野での美術品の検索と美術品の詳細鑑賞の両立が可能になる.本稿では,このOmniFlickViewによる周囲の絵画の検索効率について調査した結果を報告する.絵画を配置したVR空間で目的の絵画を見つけるまでの時間を,通常の視野とOmniFlickViewによる拡張視野でそれぞれ計測した結果,OmniFlickViewを使用しても絵画鑑賞をしているという感覚を大きく失うことなく,目的の絵画を素早く比較して見つけることができることが分かった.今後は今目の前にある絵画の比較鑑賞だけでなく,過去に観た作品をARで重畳しOmniFlickViewを用いて比較鑑賞することで,ユーザの絵画鑑賞体験を時空間的に増強するシステムの実現をめざす. |
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雑誌名 | |
インタラクション2023論文集 © 情報処理学会 2023 |
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論文ID | |
1B-34 | |
ページ | |
267-271 | |
発行日 | |
2023年3月1日 | |
発行所 | |
発行人 | 一般社団法人 情報処理学会 |
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