情報処理学会 インタラクション2024

本稿では，自発的学びの促進のためにクロスワードパズルの利用を提案する．北海道新聞の新聞記事データを用いたクロスワードパズルを提供し，それによって社会で起きていることへの興味や知識取得の動機が高まることを期待する．本稿ではまず，「新聞記事データを用いたクロスワードパズルが自発的学びを促進するか」という問いに応えるために，小規模な予備実験を行った．その結果，クロスワードパズルで遊んだことと後日実施した時事問題に対する正答率の相関が優位に高いことや，プレイヤがクロスワードパズルに登場した単語やトピックについてWebや本で調べていたことがわかった．このことから，新聞記事データを用いたクロスワードパズルで遊ぶことが，自発的な学びに繋がる可能性が示唆された．そして我々は，ゲームプレイ中にプレイヤが選んだ年や地域，トピックなどの興味対象に応じてその場で動的にクロスワードパズルを提供できれば，プレイヤの探究や学習意欲が高まるのではと考えた．そこで本稿の最後には，与えられた制約に応じたクロスワードパズルの盤面を自動生成することに関しても紹介する．