情報処理学会 インタラクション2024

本研究は,オンラインでのやり取りが行われているグループのメンバー同士の貸し借りの関係を把握し，グループに対するメンバーそれぞれの協力度を変化させることが目的である．日々のグループ活動の中で，メンバー同士は明確な助け合いから，何気ない言葉による称賛などの暗黙的なものまでメンバー同士の貸し借りが行われている．しかし，その貸し借りの量はメンバーの性格やグループに対する協力度などによって差がある．また，グループメンバーが貸し借りの量に差があることを認識しているかはメンバーによって異なる．そのために，本研究では Slack のやり取りからグループメンバー同士の貸し借りの量を自動収集し，グループメンバーそれぞれの貸し借りの量や関係性を可視化した．本研究では，はじめにグループ内の貸し借りの関係を定義し，定義を元に Slack でのやり取りを判別し，貸し借りの量やメンバー間の貸し借りの関係性を自動収集した．また，収集した貸し借りの量や関係性を視覚的に把握できるような可視化システムを行った．今後は，可視化したグループ内の貸し借りの量や関係性を，グループメンバーに共有することで貸し借りの量や協力度に変化が出るのかを分析する．また，本研究で定義した貸し借りの関係性を様々なコミュニティに流用できるのかを検証する．