文献情報
タイトル | |
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散歩中の犬と飼い主のコミュニケーション分析 - 飼い主の視線行動から | |
著者 | |
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アブストラクト | |
我々は,散歩中の犬と飼い主のコミュニケーションを理解する第一歩として,飼い主に視線計測装置(Pupil Neon)を装着してもらい,2人の家族構成員による犬への視線行動を記録した.本研究では,同じ犬でも散歩に連れていく飼い主によって視線行動が異なることを発見した.例えば,ある飼い主は犬自身よりも犬の少し前方に視線を多く配分する傾向があり,一方,別の飼い主は犬自身やより遠い前方(散歩道方向)を見ることが多かった.また,本研究の対象となった犬には拾い食い癖があり,特定の飼い主が散歩を行う際,拾い食いを行う確率が高いことが飼い主の証言により明らかになった.収集したデータを分析した結果,飼い主の犬への注意が散漫になるほど,犬が拾い食いをする可能性が高いことが示唆された.本研究は,犬の散歩中の飼い主の視線行動が犬の行動に与える影響を明らかにする一歩となる.同時に,散歩中の犬と飼い主のコミュニケーションを探索的に探っている過程でもある.今後の研究では,対象とする犬と飼い主のペアの数や分析する散歩の回数を増やし,さらにデータを収集する必要がある.これにより,飼い主の行動が犬の行動に与える影響をより深く理解し,犬の拾い食いという特定の問題だけでなく,犬と人とのより良い関係性についての洞察を深めることが期待される. |
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雑誌名 | |
インタラクション2024論文集 © 2024 情報処理学会 |
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論文ID | |
1B-60 | |
ページ | |
445-450 | |
発行日 | |
2024年2月28日 | |
発行所 | |
発行人 | 一般社団法人 情報処理学会 |
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