情報処理学会 インタラクション2024

最近では転がりに着目したアート作品やプロダクトが増えてきており，驚きや意外性を感じさせることはもちろん，転がりの新たな機能の可能性を示す事例も多い．一方で，これらは転がるモノの形状が球体や円筒状に限られる，モノや転がり環境に磁石などの特殊な素材が必要であるなどの課題もあった．そこで本研究では，自由形状のモノが，特殊な素材を用いることなく，水平面や垂直面にも転がるシステムの実現を目指し，伸展させた布の表面に軽い立体物を接触させて背面から吸引しながら動かすと，布の凹みの動きに合わせて布の上の立体物が転がりながら任意の位置に動く仕組み“すいころ”を提案する．さらに，アプリケーションとして，様々な形状の造形物および既存の製品や自然物が転がる例と，転がる動きを転用することで実現される効果や機能の例を提示する．