情報処理学会 インタラクション2024

文献情報

タイトル
HMDのフレームレート低下が漢字探索タスクの所要時間に与える影響
著者
  • 藤原 徹(大阪工大)
  • 橋本 渉(大阪工大)
  • 水谷 泰治(大阪工大)
  • 西口 敏司(大阪工大)
アブストラクト
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HMDを用いたVRは体験者が自由に映像を見ることができる反面,VRコンテンツ作成者が意図した場所を見るとは限らないという問題がある.そこでHMDを用いて,視線誘導を行うことができれば,この問題を解決することができると考えた.しかし,従来の視線誘導手法は,点滅やハイライトなどコンテンツを変容させるため汎用性が乏しく,またユーザが視線誘導を知覚することで違和感や不快感を伴うことがあるなどの問題がある.本研究では,視線誘導したい領域に視線が向いているとき,HMDで表示される画面全体のフレームレートを意図的に低下させることで,ユーザに視線誘導を悟られない方法を提案する.視線誘導の効果を検証するため,似ている漢字の中から特定の漢字を探すタスクを行った.視線誘導の効果があれば,タスクの所要時間は短くなるはずである.検証の結果,見た目の違いが小さい漢字と,大きい漢字に分けて分析を行った.見た目の違いが大きい漢字は,予想に反してフレームレート低下がないときのほうは有意に探索時間が短くなった.違いが小さい漢字の場合は,有意差は見られなかったものの,探索時間は短くなった.見た目の違いが大きい漢字の場合,フレームレート低下によって探索時間が長くなったのは,参加者が違和感を覚えたことが原因だと考えられる.

雑誌名
インタラクション2024論文集
© 2024 情報処理学会
論文ID
2B-43
ページ
815-819
発行日
2024年2月28日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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