情報処理学会 インタラクション2024

日常生活の延長線上でデジタル情報を実在感高く表示するため，テーブル上に置いたタッチパネルの上に直立した空中像を表示し，俯瞰から観察できる卓上空中像光学系とそのインタラクション手法を提案する．これまで卓上に空中像を表示する既存の光学系の多くは結像方式に再帰透過を用いていたため，空中像とは別に迷光が発生し，その除去に伴って輝度効率が低下するという課題や，水平方向の視野角が光学素子の物理的なサイズによる制約を受けるという課題がある．そこで我々は再帰反射と偏光特性を用いることで，高い輝度効率で迷光が生じない新たな光学系を提案する．また，鏡を組み込むことで水平方向の視野角を改善する．さらに空中像とのインタラクション手法について，従来の直接的な空中像のタッチとは異なるアプローチとして，タッチパネルを用いて間接的に空中像を操作する手法を実装し，その可能性について検討した．