情報処理学会 インタラクション2024

車椅子利用者やベビーカー利用者のような移動弱者は事前に移動計画を立てることで，バリアへの遭遇を防いでいる．移動計画を立てる際に，バリアの位置や種類を把握するためにバリアフリーマップを利用する．バリアフリーマップを作成手順の一つとして，バリアフリーに関心の高いボランティアユーザにバリア情報を収集してもらう手法がある．そのため，収集されるバリア情報やエリアが限定的となってしまう．バリア情報収集作業にバリアフリーに関心の低いユーザの協力を得たいが，彼らにとって直接的なメリットがないため，歩行データ収集に対する意欲を維持することは難しい．この問題に対処するために，我々はユーザが陣取りゲームをプレイすることで収集される歩行データから，バリア情報の推定を行うシステムを提案してきた．しかし，先行研究では，短期的に達成可能な目標が提示されていなかったため，バリアフリーに関心が低いユーザは歩行データ収集に対する意欲を維持することは難しいと考えた．本研究ではバリアフリーに関心が低いユーザの歩行データ収集に対する意欲を維持させる要素として短期的に達成することのできる目標を提示する．提案システムにより，バリアフリーに関心が低いユーザの歩行データ収集に対する意欲を維持させることを目指す．