情報処理学会 インタラクション2024

VR（Virtual reality）技術の発展とヘッドマウントディスプレイの普及に伴い，多くの人がVRを活用するようになった．しかし，現状のVRでは触覚の要素が不十分であり，多くの研究において，硬さや柔らかさといった表現を簡潔にする手法が議論されている．本研究では，こうした硬さを簡潔に表現できるようにするため，VR上の変形度合いの異なる軟体物体に対して，硬さの異なるタンジブルオブジェクトを用いて触覚提示を行う方法を提案する．タンジブルオブジェクトは単純な円柱形状をしており，3Dプリンタのパラメータである壁の厚みを調整するだけで硬さの変更が可能なものとなっている．異なる2つの直径のタンジブルオブジェクトに対して実験を行ったところ，VR上の軟体物体の硬度に合わせた近似曲線が得られた．この結果を用いて，VR上で硬さの異なる同形状の物体に合わせた触覚提示コンテンツを作成した．