情報処理学会 インタラクション2024

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で，対面での講義の実施が難しくなり，オンライン講義が普及した．オンライン講義には感染リスクの低下，インターネット環境があればどこでも視聴可能なことによる移動時間の削減といったさまざまなメリットがある．一方で，講義者が聴講者の行動を読み取りづらく，聴講者が講義を傾聴しているか分からないという問題点がある．そこで本研究では，オンライン講義を視聴中の聴講者の顔映像から聴講者の視線情報を抽出し，その視線情報を解析することで聴講者がオンライン講義を傾聴しているかを推定するシステムを提案する．このシステムにより，講義者は自身の講義中の聴講者の傾聴具合を確認でき，自身の講義の改善につなげられる．評価実験の結果，平均67.8%の精度で聴講者が講義を傾聴しているかを推定できることを確認した．