情報処理学会 インタラクション2024

物体の匂いを自分から嗅ぎにいく場合，カレーから個々のスパイスの香りを嗅ぎ分ける体験や，配偶者と触れ合う中で香水を感じる体験など物体から発されるにおいと嗅ぎ手は対話的に作用し合う中で生まれる嗅覚体験は，空気中を漂う匂いを嗅ぐ体験よりも印象的であることが多い．本研究では，物体を手に取り匂いを能動的に嗅ぐというクロスモーダルな体験に着目し，この体験を拡張する，立体的な形状を有するタンジブルな嗅覚提示デバイスを提案する．具体的には匂いを提示するデバイスを自由に組み合わせ可能なタイルとして複数組み合わせた上で，筐体上のマイクでユーザーの動作検知を行い，匂いのついた液体の蒸発を制御することでより魅力的かつより印象的な嗅覚体験を提示する．