情報処理学会 インタラクション2024

文献情報

タイトル
錯視が生起する周波数帯の4ストローク運動錯視を用いたUIへのIT-CCAを活用したSSVEPベースBCIの利用検討
著者
  • 振原 知希(明治大)
  • 宮下 芳明(明治大)
アブストラクト
説明画像

4ストローク運動錯視は,輝度を変化させた静止画の連続によって,一方向に無限に移動しているように知覚させる運動錯視である.我々の研究により,8.57-15.0 Hzでフレームが更新される4ストローク運動錯視を注視した際にSSVEPが誘発されることが明らかとなり,SSVEPベースBCIに対する4ストローク運動錯視を用いたUIの有用性が示された.一方で,明滅が速すぎて錯視が生起されないという意見が得られたため,周波数帯を見直す必要がある.そこで,錯視が生起性が保証された上で改めてUIの有用性を示すことを目的とし,周波数を4.29-7.50 Hzに半減させたフリッカ刺激を用いて実験を行った.その結果,識別手法としてIT-CCAを導入することで,錯視が生起がしやすい周波数帯においても識別精度が低下せず,既存のフリッカ刺激に匹敵する高い精度を示した.さらにアンケートの結果から,周波数を下げることで錯視が起こりやすくなる傾向が見られた.また,4ストローク運動錯視を注視する際,SSVEPとSSMVEPを同時に誘発している可能性が示唆されたが,IT-CCAは2種のVEPの干渉による影響を受けなかった.そのため,IT-CCAを識別手法として用いることで,4ストローク運動錯視を用いたUIに対し,高い操作性と錯視の生起の両立を可能にすることが期待される.

雑誌名
インタラクション2024論文集
© 2024 情報処理学会
論文ID
INT24004
ページ
31-40
発行日
2024年2月28日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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