情報処理学会 インタラクション2024

文献情報

タイトル
皮膚表面冷却によるVR酔い症状緩和の研究
著者
  • 川村 大樹(龍谷大)
  • 酒田 信親(龍谷大)
アブストラクト
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VR利用時にVR酔いと呼ばれる症状が発生する場合がある.VR酔いの発生には個人差があり,酔いの強さや症状も様々であるが,発生するとVR活動に支障をきたしてしまう.そのため,快適なVR活動を行うにはVR酔いの解消が必要である.本研究ではVR酔いと乗り物酔いの類似点に着目し,乗り物酔い時に特定の身体部位を冷却するという慣習的な酔い緩和方法に着目した.特に乗り物酔い緩和に用いられる首元の冷却に着目し,これをVR酔いの緩和に適用することを考えた.本研究ではVR酔いが発生した場合に首元の皮膚表面を冷却するとVR酔い症状が緩和されるのではないかという仮説を立て,提案法の有効性を明らかにするためVR酔いを誘発させるような1人称視点のVRゲームを作成し,被験者実験を行った.VR酔い症状の評価のため,SSQによる定性評価,タスクによる定量評価を行い,それぞれで提案法の効果を検証した.また,予備実験において皮膚表面温度の変化が確認されたため,実験中は皮膚表面温度を測定し,その変化にも注目した.実験結果より,首元の皮膚表面冷却によるVR酔い症状の緩和の効果が認められ,さらに被験者の皮膚表面温度がVR活動の前後で変化していることが示唆された.

雑誌名
インタラクション2024論文集
© 2024 情報処理学会
論文ID
INT24007
ページ
60-67
発行日
2024年2月28日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
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