文献情報
タイトル | |
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ビデオ通話アプリの相手映像と分離/結合した身体接触デバイスの効果検証 | |
著者 | |
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アブストラクト | |
等身大表示のビデオ通話に身体接触デバイスとしてロボットハンドを組み合わせて握手を再現することは,相手との空間共有感(同じ空間にいる感覚)や社会的結合(親密な関係を築く絆)を強める上で有効であることが知られている.一方,スマートフォンのような携帯端末でのビデオ通話でも同様の効果が得られるかは明らかになっていない.携帯端末でのビデオ通話では,縮小表示された相手の身体と,相手の手の代替である等身大のロボットハンドの間に寸法的な矛盾が生じる.また,携帯端末とロボットハンドが分離している場合,映像上の相手の手の位置とは異なる場所で身体接触が行われると位置的な矛盾も生じる.本研究では,これらの矛盾が生じても身体接触を再現することが相手との空間共有感や社会的結合を強めるのか調査した.実験では,ロボットハンドを介して実験者と手を握り合いながら行う会話において寸法的矛盾のみ生じる条件と両方の矛盾が生じる条件を設定し,携帯端末での通常のビデオ通話と比較した.その結果,空間共有感はいずれの矛盾があっても強化されたが,社会的結合は寸法的矛盾のみ生じる条件でしか強化されず,位置的矛盾によるマイナスの影響を受けやすい可能性が示唆された.空間共有感の強化には,会話の流れとロボットハンドの動きとの同期が起因している可能性があり,相手がロボットハンドを動かしているという信念が空間共有感を強めたものと考えられる.一方,社会的結合の強化には,相手映像とロボットハンドとの位置的な一貫性が起因している可能性があり,相手の手を握っていると視覚的に感じられることが社会的結合を強化する上で有効であると思われる. |
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雑誌名 | |
インタラクション2021論文集 © 情報処理学会 2021 |
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論文ID | |
INT21010 | |
ページ | |
83-92 | |
発行日 | |
2021年3月1日 | |
発行所 | |
発行人 | 一般社団法人 情報処理学会 |
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