情報処理学会 インタラクション2025

文献情報

タイトル
聴覚障害児の協調性を育む音遊びシステム
著者
  • 金田 一華(金沢大)
  • 秋田 純一(金沢大)
アブストラクト
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幼児期の音遊びは,好奇心や表現力など,成長に欠かせない力を育む重要な活動である.しかし,聴覚障害児は音が聞こえないため,音遊びによってこれらの力を育む機会が制限されている.本研究では,特に合奏によって育まれる協調性に着目し,視覚的補助デバイスを活用したハンドベルの合奏のシステムを提案する.このシステムでは,"自身が演奏するタイミング"や"他者が演奏したタイミング"を視覚的に提示し,協調性を育む効果を評価した.その結果,情報の可視化により,一目で演奏地点と他者の演奏のタイミングを判断できるシステムが効果的であることが分かった.一方で, デバイスの精度や音遊びへのモチベーションといった課題が浮かび上がった.特に,音遊びに対する子どもの興味を持続させる仕組みや,音声の聞き逃しを防ぐデバイスの改良が必要である.今後,これらの課題を解決することで,より多くの子どもが協調性を楽しく育むことができる教材の開発が期待される.

雑誌名
インタラクション2025論文集
© 2025 情報処理学会
論文ID
1A-03
ページ
234-236
発行日
2025年2月23日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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