情報処理学会 インタラクション2025

オーケストラの演奏会プログラムの構成時には，曲同士の時代や国の関連性，楽器編成の制約など多くの要素を考慮する必要がある．しかし，演奏会プログラムの構成を考慮した楽曲探索システムは存在する一方，ネットワーク可視化など適切な可視化手法を用いた，直感的でより効果的な支援を行うシステムについては未だ検討されていない．そこで，我々はオーケストラ曲間の共演度ネットワークに着目し，ネットワーク可視化を用いた演奏会プログラム構成支援システム Concert Maker (https://concert-maker.vdslab.jp/) を開発した．本システムを用いることで，オーケストラ曲間の共演度を視覚的に把握することが可能となり，従来の演奏会プログラム構成支援システムで課題となっていた新しい曲の発見の難しさを改善し，演奏会プログラムの組み合わせの多様性を向上させることができる．また，作成した演奏会プログラムを視覚的に評価できる分析機能や，他のユーザーとプログラムを共有できる機能等も提供しており，オーケストラの演奏会プログラム構成を可視化技術以外の面でも支援することが可能となっている．