情報処理学会 インタラクション2025

快適な風の再現によるリラックス効果や感情改善効果の創出に関する研究が複数行われているが，従来の研究においては視聴覚刺激の強度や提示タイミングの風刺激との同期による効果は検証されていない．本研究では，実験参加者に対し時間・空間的に変化する視聴覚刺激を提示し，風刺激と強度や提示タイミングを同期させ検証を行った．その結果，非同期の場合に比べ刺激間の整合性や風の解放感，風による感情状態改善効果が向上する傾向がみられた．これは，各刺激が同一の風刺激として統合して知覚されたことおよび視聴覚刺激からの予測と実際の風刺激が一致したことにより，視聴覚刺激と風刺激の整合性を高め効果的に自然風の模擬が可能となったためと考えられる．