文献情報
タイトル | |
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物体の状態認識に基づく室内の耐震対策点検アプリケーションの設計と効果検証 | |
著者 | |
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アブストラクト | |
![]() 本研究では,物体検出技術を応用した防災教育支援アプリケーションの開発とその有効性の検証を行った.日本における地震災害の頻発と防災意識の低さを背景に,室内の家具や扉を対象とした耐震対策評価機能をスマートフォンアプリに実装した.このアプリケーションは,室内空間の写真を基に物体検出技術を用いて耐震対策状況を可視化し,チェックリスト形式で改善点を提示することで,ユーザーの防災意識を高めることを目的としている.物体検出には,YOLOモデルを基盤とし,家具や扉を認識するための転移学習を施した自作モデルを採用した.モデルの性能はmAP(Mean Average Precision)を用いて評価し,高い精度を示した.また,評価実験では,被験者に対しアプリケーションを使用した耐震対策実践を促し,防災意識の向上および行動変容の効果を調査した.アンケート結果や自由記述から,本アプリケーションが防災意識を向上させ,危険箇所への気づきを促進する有効なツールであることが確認された.しかしながら,物体検出の一部精度に改善の余地があり,さらなるデータ収集やモデルの改良が必要である.また,仮想環境を用いた防災教育シミュレーション機能の追加など,将来的な発展可能性も示された.本研究の成果は,地震災害に対する個人および社会全体の防災意識向上に寄与する新たなアプローチを提案するものである. |
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雑誌名 | |
インタラクション2025論文集 © 2025 情報処理学会 |
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論文ID | |
1C-62 | |
ページ | |
466-471 | |
発行日 | |
2025年2月23日 | |
発行所 | |
発行人 | 一般社団法人 情報処理学会 |
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