情報処理学会 インタラクション2025

文献情報

タイトル
TasteReel: パーティクルエフェクトで味覚と温度感覚を視覚化した食事記録アプリケーションの提案
著者
  • 吉村 奏映(早大)
  • 中島 達夫(早大)
アブストラクト
説明画像

従来の食事記録は,写真や動画,文章での感想,カロリーなどのデータの記録に限られ,実際の食事中に感じた味覚や温度感覚に関する情報は十分に記録されていないことが多い.時が経つにつれて感覚記憶は薄れてしまい,写真や動画,文章から当時の味覚や温度感覚を鮮明に思い出すことは難しい.また,エフェクトが食事提供時の演出に活用された事例もあるが,それらが味覚や温度感覚の記憶に与える影響については詳しく調査されていない.そこで本研究では,より鮮明に味覚と温度感覚を記憶するために,食事の写真を撮影し「甘味」や「熱さ」などを表すパーティクルエフェクトを付けて食事記録ができるアプリケーション「TasteReel」を提案し,エフェクト付きの食事記録が味覚や温度感覚の記憶の保持や再生に与える影響を調べ,提案アプリケーションの有効性を調査した.その結果,ユーザがエフェクト付きの食事記録を後に見返すことで,当時の味覚や温度感覚をより鮮明に思い出せることが確認された.また,ユーザがエフェクト付きの食事記録を受け取ると,写真と文章による記録に比べ,味覚や温度感覚をより強く想像しやすい傾向にあることが分かった.本研究は,食事記録方法の新たな可能性を探るとともに,感覚記憶の保持や再生をより豊かにする手法の発展にも貢献する.

雑誌名
インタラクション2025論文集
© 2025 情報処理学会
論文ID
1P-73
ページ
511-515
発行日
2025年2月23日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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