情報処理学会 インタラクション2025

本研究は，現代社会で重要視されるコミュニケーション能力，特にグループコミュニケーション能力の向上を目的として，VR空間でトレーニングを行うシステムを開発したものである．このシステムは「ファシリテーション力」「意思伝達能力」「アサーション」の３要素に着目し，コンセンサスゲームを用いたトレーニングを実施するものである．評価はアンケート，生成AIを用いた自動評価，視線推定技術を用いて実施した．実験の結果，全体的な能力向上が確認され，意思伝達能力において明確な改善が見られた．一方，自動評価とアンケート結果との間には差異が存在し，ノンバーバル情報を含む評価基準の改良が必要であると考えられる．今後，トレーニング効果の定着を検証するため，実験の間隔を延ばすとともに，評価方法の精度を高めることが課題である．