情報処理学会 インタラクション2025

文献情報

タイトル
一週間の睡眠傾向と作業記憶の関係性の調査
著者
  • 新井 将太(大阪公立大)
  • Andrew Vargo(大阪公立大)
  • Peter Neigel(大阪公立大)
  • 黄瀬 浩一(大阪公立大)
アブストラクト
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作業記憶は,情報を一時的に保持しながら認知課題を遂行する能力であり,睡眠との関連性についてはこれまでの研究で注目されてきた.しかし,多くの研究が厳密に統制された環境下で行われ,実環境での関連性は十分に解明されていない.また,既存研究では前日の睡眠に着目して翌日の作業記憶との関係を調査しているが,前日の睡眠のみが作業記憶に影響を与えるかは不明である.そこで本研究では,実環境下での直近1週間の睡眠傾向が作業記憶に及ぼす影響を調査する.本研究では,モバイルアプリとウェアラブルデバイスを用いて主観的および客観的な睡眠データを収集し,同モバイルアプリを通じて作業記憶を測定する.29名の参加者から4~8週間にわたるデータを収集し,睡眠データの指数加重移動平均や標準偏差といった傾向と作業記憶の関係を解析した.その結果,睡眠時の平均心拍数,平均心拍変動,深い睡眠やレム睡眠の時間,主観的睡眠評価といった前週の睡眠傾向が作業記憶に影響を与えることが示唆された.

雑誌名
インタラクション2025論文集
© 2025 情報処理学会
論文ID
3P-76
ページ
1342-1347
発行日
2025年2月23日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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