情報処理学会 インタラクション2025

文献情報

タイトル
全天球映像を活用したVR空間におけるお出掛け歩行訓練システムに関する研究
著者
  • 荒木 沙紀(大阪工大)
  • 小松 稔惇(大阪工大)
  • 大井 翔(大阪工大)
アブストラクト
説明画像

高次脳機能障害とは,交通事故などの頭部外傷や,脳梗塞や脳炎など疾患により,脳が損傷を受けることにより生じる記憶機能障害,注意機能障害などの症状である.日常生活行動によるリハビリテーションにより症状の進行を遅らせることができるが,外出を伴う買い物などでは転倒リスクが高く,運動不足にもなりやすい.本研究では,VR環境と360度カメラによる実映像を用いることで,外出時の事故リスクを排除し,足踏みによる移動で実際の歩行感覚を提供するシステムを開発した.全天球映像と VR ゴーグル,加速度センサを用いて実装し,異なるフレーム数での歩行感覚の評価実験を行った.結果として, 足踏みと映像の連動性が重要であることが判明し,足踏みの速さに応じたフレーム数の調整が必要であることが示唆された.本システムは認知リハビリテーション効果に加え,有酸素運動による運動不足解消やメンタルヘルスケアへの活用も期待できる.

雑誌名
インタラクション2025論文集
© 2025 情報処理学会
論文ID
3P-77
ページ
1348-1353
発行日
2025年2月23日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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