情報処理学会 インタラクション2025

文献情報

タイトル
インタラクション研究用実験装置における入出力遅延の測定および設計上の注意点
著者
  • 尾形 晃(明治大)
  • 福地 健太郎(明治大)
アブストラクト
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HCI研究や知覚心理学の分野では実験装置にPCを用いることが多いが、入出力の速度は実験結果に大きな影響を>及ぼす。例えば被験者の反応速度をミリ秒単位で測定するような実験では、装置における遅延の把握とその制御が不可欠である。遅延は入出力デバイスがもたらす遅延およびPC内部での処理時間が原因となる。実験装置の設計にあたってはそれぞれを注意深く選定および設定すべきだが、それぞれがどの程度の遅延を生じさせ、それが実験結果にどれほどの影響を及ぼしうるかについては、広く理解されているとは言い難い。また遅延を精密に測定する手段もこれまで整備されていなかった。本研究では入力から出力までの遅延を精密に測定する装置を開発し、様々な条件下での遅延測定を行った。その結果、入力デバイスの性能差、ディスプレイのリフレッシュレート、アプリケーションが使用する画面モード、入力受付期間の設定などが遅延に大きく影響することを示した。このことから、実験用システムの構築においては機器の選定や設定、アプリケーションの開発において十分な注意を払うことが必要であることが示された。

雑誌名
インタラクション2025論文集
© 2025 情報処理学会
論文ID
3B-34
ページ
1159-1164
発行日
2025年2月23日
発行所
発行人 一般社団法人 情報処理学会
住所 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目5番地 化学会館4F
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