本稿では,身体動作と複数筋活動の動員様式などの容易な同時把握を可能とする,着用型の筋活動光提示センサスーツbioLightsの開発について述べる.bioLightsでは,身体動作に伴う筋活動を体表上の筋の位置,形状,そして実時間で光の明るさに反映させ提示することで,複数筋活動を直感的に知覚させる試みを行っている.対象とする筋活動として,筋電位に基づく%MVCおよび筋張力が提示可能であり,これを着用型提示システムとして実現することで,既存のシステムでは困難であった,身体動作とそれに伴う複数筋活動の容易な同時把握を実現する.評価実験によりbioLightsのパフォーマンス,知覚特性を検証し,また脚部支援機器との併用実験および運動訓練への適用による,次世代リハビリテーション,体育教育における応用の可能性を示す.
1枚の正方形の紙を折ることで形を作りだす「折り紙」は,日本に古くから伝わる遊びであり,我々の多くが幼少期に体験するものである.近年では,折り紙の数理に関する研究の成果により,複雑な折り紙作品を創作するための技術が発達してきている.しかし,まだ手指を正確に動かす能力が十分に発達していない幼児らを対象とした,少ない手順で簡単に折れる折り紙作品の創作については,これまでに十分な研究がされてこなかった.そこで本稿では,4回以下の折り操作で作ることができる単純な折り紙作品を,新しく創作するためのシステムを提案する.本システムは,あらかじめ4回までの折り操作で作ることができる折り紙の形を列挙し,それをデータベースに蓄えておく.ユーザが動物の顔など,折り紙で作りたい形をシステムに入力すると,それに類似した形をデータベースから検索し,折り方を提示する.近年の計算機の性能の向上により,このような力づくのアプローチでも目的を達成することが可能となった.幼児向けの折り紙作品に見られる「目の追加」を実装するなど,より実用的なシステムを構築した.
これまで自動作曲に関する研究は数多く行われてきたが,旋律生成のための新たなアルゴリズムやモデルの探求に主眼が行われており,生成結果をユーザがどう修正するかに関しては十分な検討は行われてこなかった.本稿では,システムが生成した楽曲をシステムの支援を受けながら編集できる自動作曲システムOrpheusBBを提案する.本システムの特徴は,ユーザが生成結果を編集すると音楽的に不自然にならないように残りの箇所を確率推論によって自動的に再生成する点である.この機能により,ユーザは音楽的に破綻することを気にせずに試行錯誤を繰り返すことができる.この機能を取り入れることで,楽曲制作における試行錯誤をより気軽に行えるようになることが,明らかになった.
階層のある場所においてユーザに階層間の位置関係を容易に把握させることを目的とし,各階層のパノラマ写真をシステムが保持していることを前提として,その異なる階層のパノラマビューを容易に切り替えて閲覧可能とするWorm Hole Viewを提案する. この提案インターフェースは,パノラマビューウィンドウ内で2つの階層を同時に自由な割合で切り替えて見ることができる. また,階層間を繋ぐ場所(階段,エスカレータ,エレベータ等)同士を結び付けるため,その場所にアイコン(階段等)を表示して対応関係を示す. これにより,ユーザは異なる階層の情報を得ながら,階層間を繋ぐ場所とその対応について容易に認識できるため,階層間の位置関係を理解することができる. この提案手法を評価実験で比較した結果,ユーザに階層間の位置関係を容易に把握させることができることが分かった.
筆者らはユーザーのその時々の気持ちや提示したい情報を即時に反映したデザート(スイーツ)を作るための仕組みの実現を目指している.本稿ではこのような仕組みのプロトタイプとして,“ドライフルーツ”という素材に着目し,ドライフルーツを粉砕した粒を一画素(フルーツ画素)としてx,y平面上にプロットする手法を提案する.
近年,マイクロブログが普及し,多くのユーザが情報をマイクロブログ上で交換している.マイク ロブログ上の情報を取得するには,ユーザがキーワード検索したり他のユーザをフォローしたりする など,能動的な働きかけが必要となる.また,マイクロブログ上に情報を発信するにも能動的な投稿 が必要になる.そのため,能動的に発信されずにユーザに閉じられた情報はマイクロブログで共有さ れることはない.しかし,ユーザが能動的に発信または取得した情報以外にも,互いに共有すると有 益となりえる情報が含まれると考えられる.そこで,ユーザが有益な情報をより多く共有できるよう にするために,我々は,現実世界で会うユーザ同士がすれ違い通信でマイクロブログを交換するシス テムを構築した.本稿では,このシステムの情報交換モデル,プロトタイプの実装および今後の方針 について述べる.
我々は,食べる事で音の変化する食器,食べテルミンを提案し,フォーク型の2種類のプロトタイプを試作した.食べテルミンは,フォークに刺した食べ物の抵抗値の変化に応じて,食べた時に様々な音を生成するインタラクティブな玩具である.これにより,食べるという行為自体を活用した,新しいエンターティンメントを提案する.
現在、ウェブではCGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)[ ]が登場したことにより、ユーザーからコンテンツの発信が盛んに行われるようになった。しかし、電子掲示板などで見られる、複数のユーザーから集められたデータが集まり、ひとつのコンテンツが生成されていくのは文字を手段としたものがほとんどである。そこで、本研究では文字以外の複数のデータが集まって一つのコンテンツが生成されるCGMを構築した。
写真やフォトアルバムから音楽を作り出す生成的手法やシステムは様々なものが提案されているが,そのほとんどはシステム作者の独断の決定論的手法を実装したものが多い.そのため生成された音楽がユーザのイメージと合わなかったり,どんな写真やアルバムに対しても同じような音楽しか生成できない,といった問題が生じていた.そこで対話型の遺伝的プログラミング(GP)を用いる事で,ユーザの イメージや好みを反映しつつ,フォトアルバムごとに動的に音楽を生成するプログラムを作る手法を提案する.
近年,コンピュータ上でのプログラミングを通して,初等教育における児童の創造性や論理的思考力を育むことを目的とした授業が行われている.しかし,現実世界にあるような様々な制約を受けないコンピュータ上での創作活動では,制約を受けることで生まれる創意工夫や共同作業がなく,本来の目的を達成できていない可能性があるのではないかと考えられる.そこで,本研究では,コンピュータ上での創作活動が現実世界にあるような制約を受けるようにすることで学習効果をより高められるのではないかという仮説の下,我々が開発している3D グラフィクスの共同創作機能を備えた子ども向けプログラミング環境“SnowBoy”にいくつかの制約を導入し,実際に子どもたちが本環境を利用している様子の観察結果から,コンピュータ上での創作活動に制約が与える効果について考察する.
生活の中で機器を利用するシーンは増えてきているが,常に機器を手に持ち,画面を見て操作できる状況にあるとは限らない.そこで我々は,常にユーザ自身と共にある「身体」を機器操作のための操作領域とするUIの開発を行なっている.今回は「ランニング中のミュージックプレーヤ操作」を想定し「腕」をタップすることで操作を行なうArmKeypadを提案する.ArmKeypadは,腕輪型で携帯性がありながら,操作領域を腕上に拡大可能である.本稿では,腕上のタップ位置の識別手法と入力精度評価について報告する.
我々は直観的に利用でき,広い空間での作業に幅広く用いることができる「道具型デバイス」の研究を行っている.これまで選択・移動操作に適した「ピンセット型デバイス」や,加工操作に適した「ナイフ/ハンマ型デバイス」を活用した事例として,木材加工システムを開発してきた.しかし,運用においてユーザの意図にあった配置や切断操作が困難であることが明らかになった.そこで本研究では,仮想物体や道具の動作拘束を導入することによって加工操作の補助を試みる.
コンピュータ上でのマルチタスキングを支援するウィンドウ環境としてDocking Window Frameworkを提案する.提案システムでは,ドッキングという簡易なユーザインタフェースを介してタスクごとに複数のウィンドウからなるワークスペースを構築し,タスクの切り替えを容易にする.また,タスク内のウィンドウに対して,ウィンドウが重なり合わないようタイル配置し,全てのウィンドウの内容が見える状態にありながらも特定のウィンドウを大きく (または小さく) 表示する機能を提供することにより,タスク遂行におけるウィンドウ操作負荷を軽減することが可能である.複数のタスクを切り替えながら作業する状況において,提案システムは通常のウィンドウシステムに比べて14~21%効率的に作業できることを示した.
我々の提案手法は,全方位の風景が閲覧可能なパノラマビュー用いることで従来のライブビューで実現できなかった,離れた場所でのナビゲーションが可能となり,出発地から目的地まで動画のように連続的に提示することによって,ユーザがシステムを操作する回数を削減し,直観性を保ったままで実用的なナビゲーションを実現する.この手法の評価実験を行ない,パノラマビューを使ったナビゲーションの有用性と実装の課題を明らかにした.
スキル学習支援の分野において,モーションキャプチャシステムによって熟練者の全身のモーションデータを取得し,学習者に提示することは既に行われており,有用性も認められている.しかし学習者によっては全身像の提示だけでは実際のスキル動作を上手くイメージ出来ない場合も考えられる.そこで熟練者自身の視点から熟練者自身の身体部位がどのように見えているかを学習者が体験できるような情報提示を提案する.この新しい情報提示と従来の全身の情報提示を組み合わせれば,今後よりよい学習支援環境の構築に利用できると期待している.
今後,空間全体を利用したサーフェスプレゼンテーションにおいて,身体性メディアを活用した場の盛り上げが期待される.本研究では,仮想空間と杖型指示棒デバイスを使用することで,場の盛り上げと身体的インタラクションを支援するプレゼンテーションシステムのコンセプトを提案し,システムのプロトタイプを開発している.
三目並べのような思考型対戦ゲームでは臨場感を出すことが重要である。本研究ではゲームの相手となるコンピュータに局面に応じてあらかじめ記録された人間の声を発声させることを試みる。また、コンピュータは過去の対局の手順を全て記憶しているため、同じ負けを繰り返さず、そのため対局を繰り返すことでコンピュータの強さがあがる。これらの事例ベースを使用することでプレイヤーは人間と対局しているような臨場感を得ることができる。
本研究ではインタラクティブに写真を閲覧かつゲーム感覚としても楽しめる3Dフォトアルバム「3D Photo Collection - Qbix」を提案する。近年、誰もが簡単に写真を撮れるようになり、世界中に発信・共有することも容易となった。今後は写真がさらに増加すると考えられ、それらをユーザが管理し、閲覧して楽しむことは難しくなるだろう。Qbixシステムは、このような問題を改善する目的のツールであり、大量の写真群を一つの画面で扱えるように従来の2次元平面ではなく3次元CG空間に写真を格納し検索閲覧できること、および、3次元CG技術によって写真の検索や閲覧にゲームのようなエンタテインメント性を提供することを特徴としている。本稿では、Qbixシステムの機能およびその機能のプログラム実装のアルゴリズムについて記述する。
携帯電話などの小型情報端末に搭載されている加速度センサとマイクのデータのみを用いて生活行動認識をリアルタイムに行うActivityAnalyzerを開発した.小型端末上での処理を念頭に置き,計算量を抑えた認識手法として,まず加速度センサを活用してユーザの動作状態を歩行,作業,安静の3状態に大まかに分類し,作業時のみマイクを起動して環境音の分析を行い,作業内容を判断する.各作業データの事前学習は10秒間ずつで良い.胸ポケットに格納した試作デバイスで実際の家庭生活のデータを収集して評価した結果,加速度センサのみで動作状態を概ね95%以上の精度で認識できた.また,環境音の分析により,「歯磨き」,「電気シェーバーによる髭剃り」,「ドライヤーの使用」,「トイレ水洗/手洗い」,「掃除機がけ」,「皿洗い」,「アイロンがけ」の各作業を平均75.8%の精度で,本人の学習データを用いた場合は85.9%の精度で分類できた.
本研究では,お弁当箱を介して家族間のコミュニケーションを支援するシステムを提案する.本システムは,お弁当箱に小型タッチパネルパソコン,カメラ,マイク,スピーカーを内蔵する.まず,お弁当を作る人が,お弁当箱におかずを詰めながら,音声や映像でコンテンツを付加することができる.次に,お弁当箱を開けたときにコンテンツを自動的に再生することで,お弁当を食べる人はお弁当に込められたいろいろな思いを感じることができる.
近年,コンピュータが広範的に使用されることに伴い,眼精疲労や近視の増加は現代社会の大きな問題になっている.現代は狭い生活空間に制限されるため,遠方視という効果的な視力回復訓練が難しい.このような問題に対して,本研究では,裸眼立体視による仮想3次元空間の疑似遠方視を利用した視力回復訓練ツールを提案する.これは,映像の注視点の深度を変化することにより,眼のレンズを調節する毛様態筋の緊張状態をほぐすツールである.
これまで国内観光地では,マスツーリズムの隆盛から団体旅行者向けの均質化されたサービス提供をしてきた.それゆえ,価値観が多様化した現在では,「観光地」ではこの変化に対応することができず,その結果として旅行者離れが進んでいる.近年,利用者インタビューを活用し,「個」のニーズに沿った商品・サービスの開発手法として「ペルソナ手法」が注目されている.今回はペルソナ手法を使って,観光地自身が観光客に魅力的なサービスを創出できるのかを検討した.
本論文はWebアプリケーション「HEaSシステム」について提案する.当システムは,ユーザによって入力された冷蔵庫内の食材情報をデータベースプログラムによって管理し,それらのデータから作成できる適切なレシピを提案するというものである.このシステムにより,日常生活における時間の短縮や食材の効率的使用,ユーザの健康管理などを実現することができる.本論文では,当システムの仕組みと今後の課題についても言及する.
インターネットの発達により,個人で簡単にインターネット放送を行える環境が整っている.インターネット放送をしているとき,放送者が次に何を話せばいいのか分からなくなるという問題が発生することがあり,この問題は“ある話題の中で次に話す内容を忘れたとき”,“ある話題が終わったあと次の話題が思い浮かばないとき”,“視聴者との話と関連した話題が思い浮かばないとき”の3つの場面に分けることができる.本研究では,これらの放送者が次に何を話せばいいのか分からなくなるという問題を解決することを目的とする.そのために,問題の各場面に応じた適切な話題を提示し,放送者が放送を続けるための支援を行う.提案手法を実現したシステムである“言うストリーム”を実装し,提案システムを用いて実際にインターネット放送を行ったところ,提案システムが放送者を支援するユースケースを得た.これは,提案システムが次に何を話せばいいのか分からなくなるという問題を解決できることを示唆している.
我々は「Fingual」という非接触文字入力インタフェースを新しく開発した.Fingualは磁石と磁気センサを取り付けたグローブを使ったインタフェースであり,ユーザはグローブを手に装着し手話の一種である指文字を形作ることで文字入力を行える.Fingualの特徴は,指文字一つ一つの形状に対応する磁場(データセット)をユーザに合わせて予め取得しておくことで,逆問題などの複雑な計算を必要とせずに文字認識を行えるところにある.本稿ではFingualを用いた文字入力実験を行うことで,Fingualの有用性について述べる.
本研究では,検索とコミュニケーションの双方の利点を活せるサービスとして,閲覧ユーザ数に基づいて関連ページをリランキングすることで,流行のページだけでなく各ページを閲覧しているユーザと即時的なコミュニケーションができるソーシャルサーチサービスの実現を目指す.本サービスにより,ユーザは欲しい情報をページからだけでなく,その情報について関心や知識のあるユーザからもコミュニケーンを通じて得ることができるようになる.本稿では,リアルタイムアクセスユーザだけでなく,過去アクセスしたユーザも考慮することでより多くのユーザ評価を反映でき,それらのユーザともコミュニケーションを可能にする新たなサービスを提案する.また,ユーザ間の会話だけでなくページ対して手軽にアノテーションできる暗黙的な情報支援機能も実現する.
CMCに関する研究が数多く行われたことで,対面コミュニケーションと比較した劣位性,優位性が明らかになり,多くの人がCMCを積極的に受け入れ,活用し,進化させてきた.現行のCMCは,人同士がネットワーク上で繋がることを前提とした物が多く,メッセージ発信者と受信者が別々の場所に存在しながらコミュニケーションをとることが可能であり,確かに便利だと言える.しかし既存のCMCには,多用することにより対面コミュニケーションの機会が減少するというような「負の側面」も数多く存在する.そこで本稿では,人同士が実世界上で繋がることが可能な全く新しいタイプのCMC「手裏剣メッセージ」を提案する.CMCでありながら,実世界上で繋がることが可能なメディアが普及することで,実世界上で人と人の出会いや会話を促し,対面コミュニケーションの促進を狙う.
クラシックバレエなどの複数人で踊る群舞は,単独でのダンスと違いフォーメーションを形成するためステージ上にダンサーをどう配置するかが重要である.そこで本研究では,ダンサーの配置のシミュレーションを行うシステムを開発した.まず,バレエの古典作品に用いられる一般的なフォーメーションパターン3種を選出した.本システムは選出したパターンでダンサーを配置するものであり,ゲームパッドを用いてダンサー人数,フォーメーションパターン,動作などを指定してシミュレーションを実行する.そして,入力されたパラメータから各ダンサーの配置位置や移動経路を計算し,仮想空間内にダンサーを配置することでシミュレーション結果を得られる.
大学や研究機関などの施設公開型イベントでは参加者に楽しんでもらうためにさまざまな工夫がなされ,スタンプラリーはその一手段である.スタンプラリーでは,指定された場所で専用の用紙にスタンプを押し,その数に応じて景品を獲得したりすることができる.一方,位置情報技術の高度化にともない屋内向けや屋外向けの電子的なスタンプラリーも提案されている.しかし,紙媒体と電子的なスタンプラリーの双方には,スタンプ設置場所の柔軟な変更や実施コストなど,さまざまな問題が存在する.本論文では,携帯端末でQRコードを読み取ることによりスタンプを押し,ビンゴを成立させるというゲーム性を取り入れた施設公開型イベント支援システムを提案する.提案システムはTwitter を利用してリアルタイムにゲームの進行状況を発信する.試作したシステムを本学の学園祭で実使用し評価した.
洗濯物を干すことは日常的に行われる家事である.しかし,干した洗濯物が乾いたかどうかを知るためには,物干し場に行く必要があり,手間がかかる.また,洗濯物が乾いた後に放置しておくと過度の紫外線により洗濯物の繊維を痛めてしまうことになり,夕方まで干したままにすると一度乾いた洗濯物が湿気を吸ってしまうこともある.そこで,本研究では,一般的なハンガーに無線センサを組み込むことで,洗濯物が乾いたことをさまざまなメディア(e.g. 音,光,メール,Twitter)で通知するシステム「AwareHanger」を提案する.多様な通知方法を状況に合わせて使い分けることで,効率的に洗濯物を取り込めるだけでなく,退屈な作業となりがちな洗濯物干しにエンターテインメント性を取り入れることを目指す.
スマートフォンなどのモバイル端末を用いた情報アクセスは増加しており,それに伴いモバイル機器でのWeb検索は一般的になりつつある.しかし,検索クエリを入力するのは未だPCの場合ほど容易ではない.本稿では,ユーザが閲覧しているWebページの本文中から検索クエリの候補となるキーワードを自動抽出することで,数回の選択操作だけで閲覧中のWebページの関連情報検索を可能とする検索支援インタフェースを提案する.また14名の被験者による利用評価の結果を通じ,実用的な精度で利用できることを確認した.
近年ネット上のコミュニケーションツールとしてSNS(ソーシャルネットワークサービス)が注目されている.SNS上での人間関係は,基本的に現実世界のものを再現する程度に留っており,これまで面識がなかった人物と新たに関係を構築することが難しい.本稿では,SNSに登録された各ユーザのプロフィール情報や日記へのコメント情報などを利用し,あるユーザが登録している友人リストとの類似性に基づき,新しい友人を紹介する手法を提案する.学内イントラSNSを構築・運用して得られたデータを用いて,提案手法の初期的検証を実施した.
本稿では,実店舗で買い物をするユーザに,購買の参考となる情報を提示することによって,商品の選択を支援するシステムについて述べる.購買の参考となる情報を提示する手法として,購入者一人ひとりをこびととして表現した.それらの数や動きによって賑わいを演出することが可能である.我々はこの手法を「Hitoke」と名付けた.Hitokeによって,ユーザは商品の人気を直感的に知ることができる.そして,Hitokeを拡張現実感を用いて商品に重畳表示するシステムを開発した.
我々は睡眠覚醒機能を有する図書館司書ロボットの研究開発を行っている.睡眠や覚醒等の意識状態を表現する数理Activation-Input-Modulation(AIM)モデルは,複数の外界センサのために並列に動作するの知覚情報処理系を動的に制御できることを特徴とする.一方,システム開発者による事前調査だけでは,不特定多数の図書館利用者を対象とした図書館サービスの実装には限界がある.そこで本報告では,図書館司書ロボットシステムを実際の図書館に設置することにより収集できる利用者との会話記録や外界センサから得られる環境情報等に基づき,(1)図書館司書としてのサービス充実と(2)自律ロボットとしての機能充実を目的としたシステムの開発手法を紹介する.
本研究では,モーションキャプチャシステムを利用して,左右反転した動作スキルの習得支援システムを構築する.スポーツなどのような身体動作に関する研究は,以前から多く行われているが,左右反転した動作に関する研究はさらに少ない.そこで,利き側の動作を利用して支援を行う手法を提案し,また屋外での激しい動作の取得にも強いモーションキャプチャシステムを利用して,左右反転の動作スキル習得支援システムを構築した.モーションキャプチャシステムで動作データを取得し,そのデータをもとに3Dアニメーションやアドバイスの提示を行う.アドバイスは,自身の利き側の動作を基準に提示され,非利き側を利き側の動作に近づけるように支援を行っていく.
スピーチプライバシーを保護する方法として白色雑音のような音響信号を付加する方法が提案されているが、返って不快感を増強させる問題が指摘されており普及していない。筆者らは、音楽・自然音など任意の鑑賞用の音響信号に対して、白色雑音と同程度に会話音声に対して聴覚マスキングが効果的に働くように特殊なフィルタ加工を施す手法について提案する。大手調剤薬局の待合室に、既開発のフラットパネル型スピーカを設置して、本提案手法の効果を検証した結果、フィルタ加工による音質歪みについては殆ど認識されず、マスカー音が所定の音圧で届くエリアには薬剤師と顧客との会話音が聞き取りにくくなるという効果を確認することができた。本実演では会話音を模擬した小型スピーカを用いて、スピーチプライバシー保護効果を提示する。
UStream,などリアルタイムでの動画配信サービスが一般化してきている。同時にTwitterなどSNSも普及している。これらのサービスを利用すれば、コンサートなどのイベントで実際に会場に来なくても体験を共有する事ができる。NxPC.Labでは主にクラブ空間をターゲットにイベントのUStream配信、インタラクティブなシステムの開発を行っている。これまでのクラブ空間は、DJ/VJのような演奏者の演奏によって演出されてきた。iPhoneVJシステムは観客がiPhoneによってVJに参加し、VJとインタラクティブに繋ぐことによって空間演出に参加するシステムである
母親と子どもとの間にある絵本は,お互いをつなぐ大切な媒介物であると同時に,相互のなり込みによる「並ぶ関係」での原初的なコミュニケーションを支えるものでもある.本研究では,ネットワークを介して仮想クリーチャの共有を行うことで,離れた人同士の「並ぶ関係」での原初的なコミュニケーションを実現するNEXUS+と呼ぶインタラクティブメディアを提案する.
本論文は,従来の恋愛ゲームでのインタラクションにおける制約に注目し,(1)ビジュアルフィードバックを中心としないHCI (2)自由・自然・連続的に体験できる物理指向I/F (3)想像力を喚起し言語非依存のエージェント,この3点に注目したインタラクションシステムを提案する.実装例として,バランスWiiボードをキャラクタに見立て,リズミカルにマッサージを行うという恋人同士の身体的コミュニケーションを具現化する次世代型の恋愛シリアスゲーム「LovePress++」の開発詳細およびフィールドテストにおけるユーザの反応を報告する
本研究では、キーボードとマウスの二つの入力デバイスを使用する際に必要となる「持ち替える」動作を除去する手法を提案する。タッチパネルを用いることでキーボードとマウスの機能を同一平面上に纏めることで二つの入力デバイスを一つにし、特別な動作を必要とせず二つの機能を内部的に切り替えさせる。それによって、使用者に「持ち替えた」と感じさせる事無くそれぞれの機能を実行させることを実現する。
本研究では,単眼カメラと2次元ディスプレイという一般的な映像コミュニケーションにおける装置構成で,ユーザの視点位置に合わせて運動視差を付与し,奥行きを知覚可能な立体映像を視聴できる映像コミュニケーションシステムMoPaCoを提案する.システムを実装し,主観評価実験を行った結果,本運動視差によって映像に違和感なく立体知覚が可能であり,対話相手が実際に実在し対面している感覚を増強すること,さらに対話相手の空間の位置関係の把握が容易となることが確認された.
近年,ユーザの興味を理解し,ユーザが求めるであろう情報をあらかじめ選択し提供するシステムが多く研究されている.しかし,元々持っている興味を深めていく支援だけでは,興味が凝り固まってしまい視野が狭まることが危惧される.本研究ではバランス理論に基づき,関係性のある知人のウェブ履歴を利用して新たな興味発見のきっかけとなりうる情報を提示するブラウザ「閲子」を構築した.ユーザスタディの結果,「誰が」見たウェブサイトかという情報が,ユーザの閲覧行動に影響することが明らかになった.
本稿では,ユーザの入力したメロディと「寄り添い方」に合わせた副旋律を出力するシステムMeetsMelody について述べる.音楽セッションの醍醐味の一つに,プレイヤ間の演奏の掛け合いが挙げられる.本システムはセッションの相方となり,ユーザの弾いたメロディに合わせた副旋律(ハモリ)や即興演奏で掛け合いを行う.寄り添い方はリズム,ピッチという2変数で定義されておりトラックパッドでリアルタイムに操作できる.
これまで,過去の議論の振り返りを支援するシステムが数多く開発されてきた.しかし,これらのシステムは議論の内容や結果を振り返ることを支援するものであり,どうやってその結果に至ったのかという思考プロセスの振り返りを支援するものではなかった.思考プロセスの振り返りは,同じ議論を繰り返すことを回避する上で大事である.本稿では,書き込み内容を相互にリンクすることにより思考プロセスの振り返りを支援するホワイトボードシステムを提案する.被験者実験の結果,リンク情報を提示することで思考プロセスの振り返りを支援することが明らかとなった
投げつける動作によって空間内における任意の対象物に対して情報を貼付けるためのインターフェイスと、これを用いたコンテンツを提案する。空間内に配置されてあるものの座標位置を把握する研究はこれまで様々な方法で研究されてきている。本研究はこのような技術を利用し、エンターテインメント性を高めたインタラクティブなコンテンツを提案することが目的である。空間内における対象物に対して赤外線IDタグを設置し、スマートフォンと小型プロジェクタを使用して情報の提示を行う。ユーザは対象物に対して、コメント等の投稿を行うことができる。その際、投げつける動作をして投稿することで、情報の貼付けられ方が変化する。ユーザや他のユーザの心的状態を、投げつけられた情報を見ることで視覚的に楽しめるコンテンツである。
本稿では,商品間の関連を提示し,対話的な商品探索を可能とするインタフェースである,つながりExplorerについて述べる.つながりExplorerは,eコマースサイトにおける履歴内の商品から,ユーザが未知の関連商品を発見することを支援する為のインタフェースである.選択した商品間の共通属性を提示し,その属性を持つ他の商品をユーザに提示する.マルチタッチ対応のスレート端末上に表示された商品をタッチ操作で入れ替えることによって,試行錯誤を重ねながら対話的な探索を行うことが可能である.我々はインタフェースの実装を行い,ケーススタディを行うことによってつながりExplorerの関連提示と対話的探索について考察した.
我々は,グループで共有している情報を利用したテレビ番組の自動生成システムであるOurTVを紹介する.本システムは,複数人が視聴することができる電子機器であるテレビを使い,グループで共有しているデータを使用して,テレビ番組を作成するというものである.今回,我々は,作成するテレビ番組を「定期的に行われているイベントの企画や準備を補助する」ことを目的とした番組に限定し,番組構成と演出を作成した.また,テレビ番組を自動的に生成する番組構成スケルトンを考えた.
公共空間での第三者間コミュニケーションは,見知らぬ他人と関わりを持つことへの心理的抵抗が大きく,未だ発展途上であることが指摘されている.本研究では,楽しく会話をしながら,手軽かつ気軽に他者との発言の受け渡しができる会話ボットシステムを提案する.本研究の貢献は以下の2つにまとめられる.(1)会話ボットから手軽に他者の発言を聞くことができる機能が,他者への興味を有効に引き出したことを示した.(2)会話ボットが伝える他者の発言にイイネなどの評価をつける機能が,他者を意識するきっかけを与えたことを示した.
本稿では対面議論型ミーティングから聞き手反応に着目することで,参加者の興味が深いシーンや,盛り上がっているシーンなど,再利用性の高いシーンを取り出し利用するミーティングキャプチャシステムを提案する.そのために発話や視線と言った聞き手の非言語行動に加えて,聞き手による写真撮影や書き込みと言った協調的アノテーション,またそれらを基にした参加者間のインタラクションを利用する.実際に収録した会話データの中で,これらの行動が活発に行われていた個所を確認したところ,活発な議論が行われ聞き手の疑問が解消されたシーンが見られた
本稿では,旅行中に行われる体験を考慮したナビゲーションシステムを構築した.本システムは,街歩きならではの体験や発見が行える場所を案内の対象とし,このような場所が近くにあることを旅行者に気付かせるための振動モータとその方角を示すLED により,視覚情報をなるべく使わないナビゲーションを行う.このシステムにより偶然性を伴う街歩きや,記憶に残る旅の提供を目指す.
eコマースでは購入にあたって,個数,ポイント,配送時間などの購買パラメータを指定する.本稿では消耗品にセンサを取り付けることで,購買パラメータを自動的に決定することを目標とする.以上の目標を達成するために,消耗品のセンサログを用いて需要予測を行う.我々は,センサログを用いた需要予測部分と,購買パラメータの自動決定部分を実装した.また,消耗品のセンサログを実際に収集し,需要予測を行った.
本研究では、合成音声を用いた対話コンテンツデザインへの応用を想定し、合成音声同士の対話における先行話者と後続話者の抑揚及び話速の関係が、同意発話の自然さに与える影響を考察した.抑揚・話速、それぞれについて、先行話者との差が異なる数種類の対話セットを用意し、ランダムに抽出された二つの対話セットを被験者に提示し、同意の発話としてより自然な方を選択してもらう官能評価実験を行った.実験結果の分析から、抑揚・話速共に、先行話者の韻律情報によって、自然な同意の発話として評価される後続話者音声の傾向が変ることが考察された.
近年の自然科学シミュレーションでは,ある時刻における一つの状態変数の空間構造データ量が1TB以上になることが珍しくない.しかし,単純に可逆圧縮法を用いても,遠隔地>点間のデータ転送には適さないほど大きなデータにしか変換できない.そこで我々は,圧力等の3次元スカラー型データに対して自然科学者が注目する対象データの分離点分布に>基づいてオブジェクトを特定化した後,Striped-Based Unfolding法を用い複数の2次元データ群に切り出すことでデータ縮約を行う手法を開発した.また,この手法を並列化実装し,その性能評価も行った.
布上の位置情報をスマートフォンなど小型デバイスのカメラにより取得する手法を紹介し、これを用いたウェアラブルインタフェースを提案する。布上に位置情報パターンを付与しカメラによりこれを取得することで、簡潔な構成でウェアラブルインタフェースシステムを構成する。これを衣服に応用すれば、デバイスを衣服上に当てた位置に基づく入力インタフェースが可能である。
我々が生活する実世界には様々な光が溢れているが,こうした表現を従来のディスプレイで体験することは難しい.例えば木漏れ日を感じながら読書する体験は,テレビやディスプレイに映った木漏れ日の映像とは大きく異なる.本研究では,液晶ディスプレイのバックライトを拡張することで,実世界の光を想起させるような表現を行うシステム「AugmentedBacklight 」を提案する.透過型液晶の背面に半透明のスクリーンを設置し,背後からプロジェクターで光の映像を投影することで,コンテンツに合わせて様々なバックライトの表現を実現する.本論文ではAugmentedBacklightのコンセプト,システム構成について述べた後,本システムを用いた表現例について報告する.
本研究では,自然科学者が持つ情報量認識に対する感性を模すために,3次元スカラー場として空間状態量が表現される場合のCar-Parrinello手法による視点移動経路決定を試みる.本手法は,対象となるモデルの特徴点を決定し,求めた特徴点を注視点と定め,初期点より,Car-Parrinello手法によって注視点までの移動経路を逐次収束させながら求める手法を提案する. また,3次元状態空間に存在する特徴点の移動速度が視点移動速度と同程度と仮定し,その環境を実装,その性能評価を行う.本手法の提案により,静的な状態に対しての視点移動経路ではなく,状態量の動的な変化に対して追従するモデル構築も目指す.
本研究は,発声という暗黙知的な要素の濃い身体スキルを向上させるために,ユーザのメタ認知を活性化させる支援システムとしての``いい声マイク’’の提案を行うものである.``いい声’’とは「音がしっかりと発せられ,音響として響く」声であると現時点で解釈している.本システムはユーザの発声をあるアルゴリズムによって評価し,マイク台の光の色とモニタ上のグラフで視覚化する.これこれこのように発声せよというアドバイスを行うものではない.発声に際して呼吸や身体の使い方,姿勢などをユーザが試行錯誤し,発声にまつわるメタ認知の自発的活性化によりスキル向上を支援するものである.
近年,実世界にデジタル情報を付加する拡張現実感技術が研究領域のみでなく,日常生活にも普及しようとしている.そこでは,視覚情報に加え,聴覚情報を付加する空間拡張システムが注目されてきている.本研究では,ユーザにヘッドホンのなどの装着を強いることなく,対象物自体から音が鳴っているかのように感じる付加情報提示手法SonalShooterを提案する.具体的には,本システムは,向けた方向にある実物体を画像処理で認識し,そこに指向性スピーカの特性を活かして適した音声情報を届けるデバイスである.本論文では,特にミュージアムにおける展示支援を目的とし,展示物のキャプションから直接説明音声が聞こえるインタラクティブシステムに関して述べる
ウェブには大量のテキストがあふれている。そのテキストデータを使って、われわれは、公共空間のデザインを新しく解析/生成する方法を研究している。ソーシャルネットワークサービスのテキスト情報を利用することで、テキストが反映している空間のアフォーダンスの様相をとらえようというものである。具体的には、自由に歩きまわり、連絡しあう人々を「賢いセンサー」として捉え、携帯端末を通して位置情報とともに収集することで、人が無意識に感知しているであろう空間のアフォーダンスの情報収集を行い、デザインを導く地図とする、というものである。本稿では位置情報付きのTwitterデータをもとに、空間、時間と人々の行動パターンを見いだし、ツイートの発生ダイナミクスをカートグラム法を使って表現する。それは時間発展する「人の視点からみた認知地図」のダイナミクスである。このダイナミックな地図から導きだされる、空間、時間のアフォーダンスが、人々の行動パターンにおよぼすパターンについて議論する。
家電製品などの機器からのメッセージングに「マイクロブログ」の仕組みを組み合わせ,家庭や医療など限られたユーザで情報を共有できるシステムを設計する.機器からの情報とtwitterなどの複数のマイクロブログを統合することにより人と人とのコミュニケーションにモノを加えた新しいネットワーキングサービスを実現する.
検索エンジンやBlogやソーシャルサービスなど,新たなWebページを発見する場所は至る所にある.その一方でそういったWebページに再度アクセスする手段は非常に限定されており,2度と同じページに辿り着くことができなくなる場合も多々ある.本研究では閲覧したすべてのWebページについて閲覧時の状況からページの重要度をスコア付けし,有益であったWebページへの再訪問を支援する方法を提案し,Webサービス Rirekipad として実装した.
頭皮脳波の分析を利用したブレインマシンインターフェイスであるP300-BMIを応用して実空間のオブジェクトを指定するポインティング装置を開発した。ディスプレイ上に点滅する文字などの視覚刺激を選択してスペリングなどを行う一般的なP300-BMIと異なり、実世界の空間内にフラッシャーを配置してオブジェクトを選択するが、ディスプレイ上のような黒バックを使用せずとも視覚刺激の弁別が可能であることが実験により検証された。BMIの新たな応用として、日常的に使用することができるインターフェイスを提案する。
本研究ではユーザに計量を意識させないで調理を可能にするシステムsmoonを提案する.smoonは物理的に変形するロボット型計量スプーンである.レシピデータと連動し,計量すべき量の形にスプーンが変形することで,ユーザはただ材料を掬うだけで適切な量を計量できる.smoonによってユーザはレシピにある複数の表記に注意を払う必要がなく,また計量行為をすることなく調理を進めることができる.本論文ではsmoonの提案と実装について紹介し,およびそれをナビゲーションし制御する手法について議論する.
近年,携帯端末のGPS機能を利用して,今いる場所や近くのお店の情報をやり取りする,ロケーションサービスが注目されてきている.ブログや掲示板を使って,その場所を訪れているユーザがその場所にちなんだ情報を他のユーザに向けて発信する事が可能である.しかし,情報を発信しているユーザが他のユーザの存在を知る事ができないため,同期でのコミュニケーションは難しい.そこで本研究では,プレゼンス情報を用いる事によって他のユーザの存在を知る事ができ,同期でのコミュニケーションを可能にするシステムを提案する.
GUIで現在広く利用されている階層型メニューは大量のエントリを扱うのに便利であるが、階層構造についてあらかじめ充分理解しないとうまく使いこなせないという問題点がある。階層構造を利用せず、全てのメニュー項目を一列に並べて表示し、スナッピングを用いて項目を検索/選択する「全部入りメニュー」を提案する.
本研究では,フォグによる光の散乱が指向性を持つことを利用し,円筒状のフォグスクリーンに対し,多方向から異なる映像を投影することで,観察者の視点位置に応じた映像を提示できるディスプレイを構築する.提案するフォグディスプレイでは,視点の移動によって物体の見え方が変化する運動視差により,対象物の立体形状を認識することが可能である.
クラウド上の音や動画メディアを利用し、不特定多数参加型のmix Playを共有体験できるWebアプリケーション。
会話において,うなずきは聞き手の行うフィードバックとされている.他方で話し手が肯定や強調,発話の前振りに行うなど会話の流れを調節しているという研究がある.そこで本研究ではうなずきを話し手,聞き手両方が行う行為であるとし,首振り動作と定義する.そして首振り動作に対して会話調節の機能を分類するため,言語・非言語行動の発生パターンによってクラスタリングを行い,機能分析を行った.結果として同じ聞き手としての首振り動作でも,受け手的に行うものと傍参与者的に行うものが得られた.また異なる会話環境間でも異なった機能のクラスタが生成された.